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つらつらと身勝手にいきます

なんてことない出会いのはなし

違う場所で生まれ、育ち、知らない人たちと青春時代を送ってきた、

今この時に同じ時間を過ごす人たちとの関わりってとても貴重。

きっと今日以外で一生会うこともない人。そういう決して自分にとって近いとはいえない人たちと関わり、

何かを学んだり感じ取りながら毎日を生きていけたらどれだけ人生の濃度は高まるだろう。

 
奥田民生の神戸公演にいったとき、席に着くなり隣の30代ぐらいのお兄さんに話しかけられた。
 
え、お姉さん1人?いくつ?
あ、ハイそうです21です。
 
自分をはるかに上回るテンション。よほどライブが楽しみなのだろう。
 
珍しいなーすごいなー!!
…すごいんですかね…はは…大阪から来ました。
俺もやで!え、なんか…なにが好きなん?
わたしユニコーンが好きで…
ユニコーンか!ええよな!
 
溢れる明るい人感、良い人感。連れのお姉さんが席に戻る。
隣のお姉さん1人できたんやってー!え、そーなん?わたしのこと話してる。話に反応していいのか悩む。
でもちょっと聞きながら笑ってたら話に入れてくれた。
 
21やったら一緒に民生のライブ来てくれる人おらんやろなー。
まあそですね、、はは。
周りの友達はなにがすきなん?
周りはカナブーンとかですかね。
カナブーンな!!!カナブーンとキュウソな!!あっ開演するわー!
 
…わたしキュウソもカナブーンも嫌いじゃないけどなあ。
お姉さんもお兄さんも一つ一つの反応が大きくていかにも大阪人で、そしてとてもいい人だった。
ライブ中後ろの席に移動してスタンディングでノリノリで聴いていたお兄さんは、案内係に自席に戻されてた。
いいやん3階席でだーれもおらんのに…という不満気な声が聞こえてきた。
そりゃ自席以外で観るのはダメなんだけど、なんだかちょっと可哀想に思えた。
さっきまで知らない人だったのに僅かな関わりで可哀想と思ってしまった。人間贔屓の生き物だ。
同じ物事一つにしても、視点が変わると受ける感情も大きく変わってしまう。
 
帰る際も、気ぃ付けて帰りや!とにこやかに話しかけてくれたお兄さんたち。
挨拶をして1人で会場を後にし阪神電車に乗り込んだけど、偶然か必然か、難波で再会した。
一生のうちこの日限定の縁。
 
あれー大阪の子やったんやー!
 
明るい声で話しかけてくれたお姉さん。
 
お前はそんなこともしらんかったのか〜〜?
 
さらに明るく冗談めいて返すお兄さん。
楽しそうな二人組だけどきっと恋人ではなくてライブ友達なのだろうなあとか勝手な想像をしてみる。
セトリが昔の曲多かったですねとかよくライブいくんですかなんて話してたけどすぐにさよならになった。
きっともう会うことはないだろうけど、だからこそいいのかもしれない。
ライブはやっぱりそこで鳴らされる大好きな音から様々な感情を受けとって取り込む時間なだけでなく、
こうやって出会いの場にもなりうる。
そしてそういう出会いすらもライブへの期待になることがあるのだと思っている。
 

youtu.be

 

初めてライブで聴いた御免ライダーはイントロからグッと心を持ってかれた。

隣のお兄さんたちもイントロからもうそりゃノリノリだった。

音楽ってやっぱり最強。